クリニック通信
2026年1月14日じじと小さなお友達
こんにちは。晴れてるけれど冷たい風が強いですね。花壇のビオラはちぢこまり、どうぶつたちも寒そうです。

昨年、母が施設で様態が悪化して、永い入院生活に入りました。父はそんなに近くはない病院の、週2回、15分までの面会ルールを頑なに守って通い続けています。面会の度に母の額に自分の額をくっつけて名前を呼び続ける父の愛情表現は初めて目にするものです。母は時々、本当に時々、父の語りかけにうっすら目を開けて頷いています。
今年94歳の父は、今、独りマンションで暮らしています。家事らしい家事をして来なかった父の住まいは乱雑ですが、それが父にとって居心地の良い環境のようです。私も時々面会に付き合い父と食事を共にしていますが、父は多くの時間を独りで過ごしています。
そんな父にお友達が出来ました。同じマンションに住んでいる小学生の男の子です。最初は挨拶のみでしたが、ある時お手紙をくれました。その年齢とは思えないくらい上手に描かれた絵と、私より遥かに上手な文字で書かれたお手紙のことを父はとても嬉しそうに語っていました。ある時ついにその子から部屋に遊びにおいでとお誘いが来ました。父の喜びようと言ったらそれはもう、、でも、齢の問題かその約束の日を父は忘れてしまったのです。ぽつりぽつりと悔しそうな顔で話す父は更に年老いて見えました。ただ、再び、お誘いをしてもらえました。深いお付き合いではありませんが、父にとってはかけがえのない友達です。
このマンションでは何人もの方に助けてもらっています。母が在宅中に間違って押してしまった緊急連絡ボタンを直しに来て下さった方、一緒に転んでしまった父母を介助し、様態から救急車を呼んで下さった方、感謝してもしきれません。今は頭も体もしっかりしていますが、いつかは父も施設に入らなければならなくなるでしょう。でも、好きな時に散歩も買い物も出来ない施設暮らしをまだ父は受け入れ難いようです。もう少し、もう少しだけ父の好きにさせてあげたいと思いつつ、次の面会予定を確認しています。





