クリニック通信

2026年9月9日みんな違っていいんだ。 発達特性のお話

こんにちは。今日は雨の毎日から一転して蒸し暑いですね。寒暖差が大きくて体調をこわしやすい時期。ついでに喘息シーズンで、インフルエンザまで流行ってきてしまいました。とにかく睡眠を多くとって体調を整えるようにしましょうね。う~ちゃはこの前お友達と会ってご満悦です。私は夏休みに札幌の日本外来小児科学会に行ってきました。普段の慰労も兼ねてスタッフも連れて行ったのですが、観光地「札幌」にみんな散り、私一人寂しく学会に参加しました。(画像は少し加工されています、、→な~に余計なこと言ってんの!スタッフからクレーム殺到)

  

何だかこの子は騒いでばかりで落ち着きがないなあ、一人でいることが多いけどお友達と遊べてるのかなあ?授業についていけないみたい、、この子の発達は大丈夫かしら?心配されている保護者の方は少なくないかと思います。私も小1の頃はとにかく落ち着きがなくて、習い事先で騒ぎまくり若い先生を泣かせたりしていました。クラスでもちょっと浮いた存在でした。今でもコミュニケーションは正直苦手で、人の目を見て話すことがなかなか出来ません。

人の性格は生まれつき備わっているものと、環境や経験によって影響されるもので定まっていきます。年齢的な要因も少なくありません。赤ちゃんの時は人見知りが激しくて会う人会う人片っ端から大泣きしていたのに、保育園に行き始めたら誰彼なく懐いて離れなくなって、小学校ではやたらとお調子者、でも中学生になったらぶっきらぼうになって「あ~」とか「いい」とか「うざい」としか言わない。みなさんにも心当たりがありそうですね。色んな性格があります。大人しい子も活発な子も、人見知りの強い子もお調子者も。みんな同じであるはずがありません。苦手なことも得意なことも人によって様々です。

その中で環境や経験で変わっていく性格と異なり、生まれつき持つ変わらない性格に対して「発達特性」と言う言葉が使われるようになりました。言い方を変えれば「生まれつきの個性」とも言えます。こだわりや集中力、落ち着き具合、人付き合いの得手不得手、誰もがある程度持っていること。それに弄ばれながらも、あまり困ることなく日常生活を営めているのなら、それはただの特性(性格傾向)に過ぎません。ただ、その特性の振り幅が強すぎて本人や家族に強いストレスが生じてしまう時、誰かが「とても困っている時」には周りの理解とサポートが必要になります。その時に発達特性は初めて「発達障害」と言う診断名として扱われます。こだわりが極端に強く、人とのコミュニケーションが図れない「自閉症」。落ち着きがなくて忘れ物が多くて授業中にも席を離れてしまいがちな「多動症」、算数は得意でおしゃべりも好きだけど、何故か文字の読み書きだけが苦手な「読み書き障害」。様々な病名があります。個性は様々なので幾つか併せ持っていることもあります。育て方を悔やむお母さんもいますが、生まれつきの「特性」なので育て方の問題では決してありません。診断基準もありますが、その項目には私も幾つかは当てはまります。おそらく皆さんも。頻度は高く、何らかの診断名がつく人は多分クラスに1人はいます。「診断」は「分類」ではありません。本人も周りも誰も困っていないのに敢えて診断名をつける必要はありません。

「発達障害」だから他の人より能力が低いの?そんなことはありません。得意と苦手の凸凹が極端なだけ。色んな事には集中できないけれど、気に入ったものには脇目もふらずに集中して専門家になれる人、個性的なものの見方から著名な芸術家になれる人、落ち着きがないように見えるけど頭の回転がすごく速い人、あのハリウッドの有名俳優トム・クルーズや映画監督のスティーブン・スピルバーグは書字障害を持っているし、大実業家のイーロン・マスクや天才アインシュタインが自閉症であったことは有名です。世の中で成功した人の多くには何らかの発達特性が見受けられます。その特性が成功の役に立っていることも。苦手な分野は大目に見て、得意分野を見つけてあげることが大事です。

足が不自由な人が電車に乗っていたら、立ち続けるのは大変そうねと理解して席を譲るのは皆さんが普通に考える行為です。「発達障害」で困っているのなら、その子のことを理解して、周りがサポートすることが大事です。書字障害があれば板書の必要がないように音読して説明するとか、感覚過敏があれば大きな音を立てないように配慮するとか、療育施設や支援教室の利用などの利用など、周りに理解してもらうために必要であれば診断名をつけることも大事です。

私自身は心の専門医ではないので、充分な説明とは言えないかもしれません。色んな個性・特性があります。みんな違っていいんです。「偏見」は人の持つ最も愚かな考え方。ただ、それで困っている時は「変」と言う言葉で片づけるのではなく、それを受け入れて、その子なりの理由があることを理解して、困っている時は手伝って、仲良くしてくださいね。

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