クリニック通信

2015年3月29日何が雑草?何がばい菌?

こんにちは。春らしい穏やかな天気ですね。タンポポも咲き始めています。ウサの大好物でしたが、もうあげることが出来ないのが残念です。

今、家の庭の花壇がすごいことになっています。本当はビオラを植えたはずなのですが、殆ど雑草に占領されてしまいました。抜こうかとも思ったのですが、よく見ると小さな紫色の花を咲かせています。毎年、春のお知らせのように生えて来るので気になって図鑑を調べてみました。「ホトケノザ」と言われ、葉っぱの形が仏様の座る蓮のようなのでこの名がついたそうです。

また、道端に似たような、でも少し違う形の雑草が生えています。これは「ヒメオドリコソウ」と言って小さなフリルをつけて踊っている女の子の様に見えるからだそうです。日本人の「言葉の感性」に誇りを感じます。

一方、私が何度かブログで「早春を告げる小さな青い花」と紹介したとても可愛らしい花の名前も分かりました。何とこれは「オオイヌノフグリ」と言うそうで、実の形が犬の○○○○(自主規制:ウィキペディアで調べてみよう)に似ているそうでついたらしいのですが、よりによって何でこのネーミング?と疑ってしまいます。日本人の「言葉の感性」、、やっぱりちょっと怪しいかも、、

「雑草」と言う名はあくまで人間が勝手につけたもの。よく見ればそれぞれ個性があって、可愛らしくて、一生懸命咲いています。更に名前まで知ってしまうと愛着も湧いてきます。庭の花壇はしばらくこのままになりそうです(手入れが面倒な訳ではないですよ、、多分)。

ばい菌=細菌にしても似たようなことが言えます。もともと人間の体と細菌は共生関係にあるものも多く、乳酸菌を始めとした腸内細菌だけで成人では100兆個以上、1.5kgも体内にいるとされています。多くは消化機能を助ける大事なパートナーです。皮膚も大量の常在菌に覆われていますが、殆ど悪さをせずに縄張りを主張して悪玉菌の繁殖を抑えています。大腸菌やインフルエンザ桿菌など不良系細菌も健康な方の便や鼻汁を検査すれば常に出てきます。彼らも増えて徒党を組み始めると悪さをすることもありますが、普段は大人しくいい子にしています。

抗生剤=細菌退治の薬は悪玉菌の暴走を抑える意味では医学に革新的な進歩をもたらしましたが、最近は便利なために使われ過ぎていることが問題になっています。もともと体には免疫細胞と言う警官隊が監視の目を光らせていますが、この警官隊、出来たての新米はTh細胞と言って、まだ自分が何をすれば良いのか分かっていません。そこに細菌が侵入すると「こいつを退治すればいいのか」と思ってTh1細胞に昇進し、真の警察官の役割を果たし始めます。一方、細菌が侵入してこないとすることがなくなって、取りあえず自分の体の中で不審そうなやつ(殆ど濡れ衣)がいたら攻撃するようになります。これはTh2細胞と言ってアレルギーの原因になります。好酸球と言う免疫細胞はもともと腸管内の寄生虫退治の使命を持っていたのですが、寄生虫がいなくなったことですることがなくなり、アレルギーに関与するようになったとも言われています。

アレルギー体質の発症に乳児期における抗生剤の使い過ぎをリスク因子の一つとする報告や統計調査も見られます。強い症状もないのにすぐ抗生剤を飲むと言うのはあまり良いことではありません。雑草もばい菌も目くじらを立てずに、悪さをしないようなら少しくらい仲良く付き合っていくことも必要なのかもしれませんね。

オタマジャクシも出てきたよう!

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