クリニック通信

2023年1月1日嵐の大晦日

明けましておめでとうございます。穏やかな晴れた日が続きますね。日差しに照らされたビオラがちょっとホッとした顔で頭をもたげています。ただ、寒さは続きます。「もう、いい加減にしてよ~」とアリッサムは地にへばりついています。澄み切った空をカラスが「さみ~っ、さみ~っ」と鳴きながら、おそらくは常夏の島に行くのであろう飛行機に追いすがろうとしています。

兎に角ハードな1年でした。コロナは6波、7波と流行を繰り返すたびに感染者を増し、合間に季節性感染症が逆襲に転じ、その中でインフルエンザワクチンが始まり、こどものコロナワクチンまで始まり、そして第8波。小児の割合が非常に増えました。全ての方に完全防護で接する装備も時間もありません。当院で診断したコロナ陽性者は2000人達し、その診療の代償に私も含めてスタッフの半数以上がコロナに感染しました。そのうち1人は12月29日に発症。仕事納めの2日後でした。お子さんや旦那さんとゆっくり過ごせるはずのせっかくの年末年始は療養生活です。こどものコロナ検査を行える医療機関がないため、31日午前に急遽発熱外来を開いたのですが、それに従事して頂く予定でした。お休み予定だった他のスタッフに出勤して頂き、外来は何とか行うことが出来ました。患者さんの多さからすると焼け石に水かもしれません。でも、わざわざ朝早くに差し入れを届けて下さったかかりつけのお母さんや年末に頂いたお手紙、「開いてくれて助かった~」と言って下さった方、その言葉達がむしろ私たちを救ってくれました。本当に有難うございます。

 

忙し過ぎて年末のお掃除は出来ませんでした、、はい、そうです。言い訳です。コロナのせいにしています。毎年そう言いながら、開院以来院長室に手をつけてきませんでした。廃墟から遺跡を飛び越して、人が足を踏み入れるべきではない地と化しています。シダ植物や原生林が生えてきそうです。もしかすると、三葉虫とかトリケラトプスとか新たな生物も進化してきているかもしれません。

発熱外来を終えて、夕方にお餅やらおせちやらを近くに住んでいる両親に届けに行きました。マンションのベルを押しても反応なし。何度連絡しても携帯にも出ない。2人とも何が起こってもおかしくない年齢です。不吉な予感がして、慌てて家に合鍵を取りに戻り、念のためもう一度ベルを押すと、、「ハイよ~」の声。ショッピングモールに買い出しに行っていて、リュックに入れた携帯が鳴ったことに気付かなかったようです。ふ~っ。息子の心配をよそに「この1年のお前の10大ニュースは何だあ?」とか聞いて来ます。一番のニュースは今起こったことだよ。驚かせないでよ父さん、母さん、、

大晦日、燃え尽きてぼ~っとした頭で紅白歌合戦を眺めています。いつの間にか出場者は知らない人だらけになっています。名前もカタカナやら英語が入り混じり、姓名が定かでなくなっています。「king gnu 凄いよねえ。あと一歩、ここからあと一歩、、名場面思い出して泣けてきちゃう」「そうだよねえ、金魚なんて凄い名前だよねえ。あと1本、ここからあと1本、、卓球世界選手権だっけ?」おかみさんとの会話も嚙み合いません。私が昔やっていたようなフォークギター1本だけでぶつぶつ歌う人はいません。え~、誰これ~?知らない~。でも歌はいいよねえ。歌詞は難しくなり、テンポは速くなり、私の困った滑舌ではとても歌えそうにありません。時の流れを感じます。そう、私も今年5月からは「赤いちゃんちゃんこ」を着なければなりません。もらったお手紙に書いてありました。「かぜをひいたらじいじ先生のところに行く~」。そうです。子どもたちから見れば当然私はおじいちゃん。今年こそは年相応にのんびりとした外来を行いたいものです。

今年もよろしくお願いしますね。

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