クリニック通信

2021年7月10日10歳になりました

こんにちは。梅雨の間の久しぶりの晴れ間、こんなに暑くなっていたのですね。庭では役目を終えてすっかり枯れてしまったビオラの周りに、ビオラに育ててもらったツマグロヒョウモン蝶がお礼を言いながらひらひら舞っています。

夏風邪ウイルスの大流行でバタバタしているうちにいつの間にか10歳になってしまいました。お月様に転勤した「ウサ」に代わって広報部長を担当することになった「健兎」も6歳を迎えました。ウサギの平均寿命は7歳、童顔でごまかしていますがすっかりおじいさんです。寝ていることが多くなりました。このクリニック通信も今回で157回目を迎えます。段々記憶も怪しくなって、以前書いたことを平気でもう一回書いたりしています。

10年目は節目。折り返し地点?分岐点?もともと時の流れは同じ。淡々と過ぎていくのを感傷から特別と思うだけで、何かが変わるわけではありません。ただ、気づくと看板の色も褪せ、部屋の壁紙も少し剥がれているところがあります。私も診療後の疲れが取れなくなってきました(いや、最初から)。お腹が膨らんだり髪の毛が旅立って行ったり、やっぱり10年なんだなあとしみじみ思ってしまいます。

開業当時は周辺も宅地造成中で広々と見渡せていました。まだ小児科クリニックが少なかったため、患者さんも多く、時間に追われ、数に追われていました。働く親御さんが仕事の都合に合わせて来られるように時間予約制にしましたが、様々な症状を抱えたこどもの診療は一定の時間枠で納められるものではありません。診察時間は遅れがちになり、時間を気にしながらの慌てた診療は、私も患者さんも不満を残します。気付くとネットの評価は低くなっていました。気にするなと言われ、気にしないように努めてきましたが、ネットで決める人も少なくない時代です。すっかり減ってしまった予防接種の予約を見ると、やっぱりなぁ、、思ってしまいます。

ここ数年で新しくてきれいで人柄も能力も優れた小児科のクリニックが増えました。少ない小児科クリニックで地域の子どもたちを守ろう。そう思ってやってきた当院の役割もひと段落したようです。夏風邪が落ち着いたら、受診が少なくなった分、少しだけ余裕を持って、ちょっとしたことでも相談に乗れるような診療をしたいと思います。無論、私一人では無理なこと。大事なスタッフの力も借りて、「来てみたら意外と良かったね」と思って頂けるようなクリニックを目指したいです。医師会、小児科学会、小児科医会の役員にもなってみました。そう言うと格好良さげですが、自治会の班長みたいなものです。長く住んでいると必然的に順番が回って来て、気が弱くて断り切れなかった人がなってしまうようなものです(いや、他の役員の人は別ですよ。ごめんなさい)。診療以外でも少しばかりこの地域の力になれれば幸いです。ただ、仕事が増えることでやっぱりバタバタして、「いやだあ、もうやめるう」と言うかもしれません(多分、絶対に)。

時々親御さんから声をかけて頂くことがあります。「クリニック通信見てるよ」。どれだけの方が見ているかも分からず書いているので、本当に嬉しくなります。こどもたちのお手紙も大きなパワーを与えてくれます。私が患者さんを救っているのではなく、私が患者さんに救ってもらっているのです。

読み返してみるとやっぱり毎回同じこと書いている気がします。そんな頼りない院長ですが、これからもよろしくお願いしますね。

 

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