クリニック通信

2020年6月4日コロナが教えてくれたこと

こんにちは。暑くなりましたね~。ビオラは引退の時期を迎えました。花数の少なくなったビオラに追い打ちをかけるように健兎がムシャムシャ食べてます。

ようやく新型コロナの緊急事態宣言が解除されましたね。見えない空気に押されているような重苦しい日々が続きました。第1波の最中でも子どもたちの発熱・風邪症状を診ないわけには行きません。小児科クリニックは最前線。予防策を徹底しても見えないものを完璧に防ぐことは不可能です。自分もいつかかかるんじゃないか?スタッフの一人でもかかったら長期休診が必要だし、既に予約した方への連絡は?それまで受診された方への連絡は?半端ない風評被害に晒されたらどうしよう、、病は気から。何となく喉が痛い様な、朝から身体がだるい様な、眠い様な(よく考えると数十年前から)、落ちつかない日々でした。

悪いことばかりでもありません。受診数は半分以下が続きます。勿論、受診自粛の影響もありますが、外出抑制と予防策の徹底は他の感染症も確実に防ぎました。3月には流行するインフルエンザBも出てこなかったし、熱を出すお子さん自体が非常に少なくなりました。感染症は予防をきちんとするだけでこれだけ防ぐことが出来ます。また、風邪気味でも受診しないうちに自然に良くなった方も多いと思います。風邪の治療は対症療法です。お薬は辛い症状をほんの少し楽にするだけ。安静と水分補給だけで殆どが治ります。今までは、咳が出たらすぐに病院に行かなくちゃと思っていた方も、今回のことで、このくらいの症状なら大丈夫かな、と自信を持たれた方も少なくないかと思います。受診の仕方を改めて考える機会になりました。

受診が減ったことで私自身も心に余裕が生まれました。今までは、数に追われ、時間に追われ、毎晩のように診療が進まなくて焦っている夢にうなされ、休日は午後を過ぎるとサザエさん症候群でドキドキが始まり、朝起きる度に「今日は休む~」と愚図っておかみさんに叱られていました。慌てる診療にはろくなことがありません。聞くべきことを聞ききれず、伝えたいことが伝えきれず、患者さんはもちろん、私自身にとっても、いつも不満の残る診療でした。この3か月、診療の夢を見なくなりました。のんびりゆっくり考え、充分に説明をし、子どもさんの呼びかけに応え、普段は時間がなくて聞ききれない相談にも応ずることが出来ました。私が求めていた診療です。この状態が続いてもいいかなとも思いました。

一方、移動自粛が終った税理士さんが久しぶりに持ってきた収支報告を見て愕然としました。この分では年を越えずに潰れてしまう!もともと小児科クリニックの収入は内科の半分しかなく、多くを診なければ経営が立ち行かなくなります。今回の自粛の影響で最も受診が減ったのも小児科です。考えが甘かったことも思い知らされました。でも、丁寧に診るほど赤字になる診療報酬制度では、近い将来小児科クリニックはなくなってしまうでしょう。患者さんもお医者さんも満足の行く診療が出来るような受診数でも経営が続けられるように、行政の方々には診療報酬の改定を進めて頂きたいものです。それまでは、、健康になる壺とかコロナ退散のお札とか売って闇営業でもしようかなあ、、増々経営が悪化しそうですね。

記事検索

カテゴリー一覧

年別一覧

ご予約方法はこちら

クリニック通信

リンク

診療日カレンダー