クリニック通信

2019年11月6日疑り深い警備部長と「白身玉子」さんー食物アレルギーのお話ー

こんにちは。穏やかな暖かい天気ですね。絶好の自転車お散歩日和ですが、このところ忙しくて体調を崩してしまいました。恨めしそうに晴れた空を眺めながら、週末に結城市で行うアレルギー講演の準備をしています。先週末は小児アレルギー学会に行ってきました。壇上ではベテランの専門医達が講演していました。何で大勢の前でこんなに落ち着いて、分かりやすい口調で喋れるんだろう。私には羨ましい限りです。喋る練習を始めてみたものの、あまりの滑舌の悪さに健兎は「何言ってんだか分んないよ~」とそっぽを向いています。

下は週末の講演用のスライドの一部です。

これだけでは堅苦しいので、こんな例え話も作ってみました。

「免疫」さんはライブハウス「ボディ」の警備部長です。ライブには色んな人がやってきます。中には悪い奴も。「virus!」と言う半ぐれ集団や、「悪玉細菌組」と言う暴力団などは会場内で色々なトラブルを起こします。そう言う悪い奴がいないか免疫さんは常に目を光らせ、見つけると部下の警備員「抗体」達に命令して追い出します。ただ、その時は喧嘩(炎症)になるので、会場内の設備が壊れてしまいます。「また喧嘩かい。勘弁してよ~」、「ボディ」の店長さんに愚痴られることも度々です。責任感の強い「免疫」さんも最近はちょっと神経質になっています。

ある日、「食物栄養大学」 野菜学部のかぼちゃんとにんじんさんに誘われて、卵学部白身学科の玉子さんと白身学科の友人達大勢、そして妹のキミちゃんと連れ立ってライブに行きました。大人しく控えめなキミちゃんに比べ、玉子さんや白身学科の友人達は派手なメイクで大はしゃぎです。

会場では免疫さんが入場者を監視しています。普段から何度も来場しているかぼちゃんとにんじんさんは顔パスです。大人しいキミちゃんも大丈夫でした。でも、免疫さんは思いました。玉子さんを始めとした白身学科の子たちは初めて見る顔だし、メイクも派手で何だか胡散臭い。抗体たちに命令します。「あいつら悪そうだ。追い出して」。楽しみにしていた白身学科の子たちは言われもない差別に憤慨し、抗体たちと喧嘩を始めてしまいました。また、店の備品が壊れてしまいました。免疫さんが命じます。「こいつらがまたやって来たら追い出せ」。その後、玉子さん達は何度行っても入店を断られ、その度に喧嘩になってしまいました。

玉子さんは悲しくなりました。「ライブが好きなのに何で入れないの?」。諦めきれません。今度は白身学科の友人たちは誘わず、一人だけで行くことにしました。落ち着こうとお風呂にゆっくり入って体を温めました。警備員さんは以前とは違い、小ざっぱりとして大人しそうな玉子さんを見て意外そうです。一人だけなので黙認することにしました。

何度も来ているうちに、玉子さんは警備員さんとも打ち解けてきました。警備員さんの中には「彼女はそんな悪い奴ではないですよ」と主張する者も増えてきました。免疫さんも玉子さんが悪者でないように思えてきました。「やっぱりわしの勘違いだったのかなあ、、」。玉子さんは白身学科の友人たちにも話して、2人、3人と少しづつ訪れる数も増えてきました。

免疫さんは考えます。「何であんな勘違いをしてしまったのだろう、、」思いにふけりながらライブハウスを外から見回ってみました。そこで気づいたのはライブハウスの外装が結構ボロボロで、壁にもあちこち穴が開いていたことです。そして思い出しました。以前白身学科の生徒がこの穴から不法侵入しているのを見つけたことを。「そうか、その時に悪い印象をもってしまったのだな」。セキュリティ強化のために「ボディ」の店長にお願いして、外装を修繕し壁の穴も塞ぎました。すると不法侵入者たちも減り、定期的にメンテナンスを行うことでトラブルも減りました。ようやく免疫さんも安心です。今では玉子さんともすっかり仲良くなり、白身学科の人たちは誰でも自由に来られるようになりましたとさ。

何だか分かったような分からないような話になってしまいましたね。こんな話を週末にしてきます。

 

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