クリニック通信

2019年7月1日8歳になりました

こんにちは。梅雨の雨が続きますね。庭ではサフィニアが花壇の縁を超えて新天地への進出を狙っています。もうすぐ4歳になる健兎は最近おやつに味をしめて、主食の牧草をないがしろにしています。「好き嫌いはダメ!」と放っておいたら、自分でサークルをこじ開けて足元にやってきました。「ねえ、おやつ~」「ダメなものはダメ!帰んなさい!」。で、小指先程のバナナを与えてしまいました。

当院も8歳を迎えました。身体機能も自信も更に増して、時に暴走しがちな年齢です。私は身体機能も自信も右下がりですが、暴走しがちでした。

人の目がやたらと気になり、隣の芝生が真っ青に見えてしまう性格です。以前から時間予約による人数制限のために、診てあげられない患者さんのことを気に病んでいましたが、野末先生や黒澤先生が午前中だけで60人以上の患者さんを受け入れていることを知り、「うちものんびりやってはいられない」と焦るようになってしまいました。昨秋から予約枠を大幅に増やし、自分の休憩時間を30分未満に削って診療時間も延ばしました。

で、、、確かに受け入れる患者さんを増やすことは出来ましたが、心身ともに荒んだ気がします。増える待ち時間に焦り、診療を早く進めるために、伝えたいことを伝えきれず、聞くべき相談に充分に耳を傾けられない診療は、患者さんだけでなく私自身にとっても非常に強いストレスです。疲れると普段は気にならない泣き声も耳に響き、笑顔が歪んでいるのが分かります。診療の質が下がり、充実感を感じなくなってしまいました。これでは開業した意味がありません。

もう一度開業の理念を見直しました。ホームページの冒頭にある言葉です。「病気の不安を出来る限り和らげ、働いている親御さんを微力ながらサポートすること」

四捨五入すると還暦になってしまう年齢です。若い先生に無理して張り合わず、少しペースダウンして診療に少し余裕を持たせるようにしたいと思います。ただ、大流行で必要な時には頑張らねばなりません。大きな声が出せないことと、カルテ入力のためにきちんと目を合わせて話すことが出来ないことも問題です。今の仮面ライダーのようなお腹のスピーカーだけでなく、5.1チャンネルサラウンドスピーカーを四方に据えて重低音の利いたお話をするか、超屈折眼鏡を開発して患者さんの方を向きながらPCも見られるようにするか、顔の側面に目を描いた眼鏡をかけるか、、SNSで炎上して誰も来なくなるでしょう。説明は看護師さんにも助けてもらいます。必要な話は同じ事でも毎回しつこく繰り返しますが、多少の整理も考えます。親御さんの協力も必要です。診察前に衣服を緩めておいて頂くことや、次の方の待ち時間を増やさないように相談の数を少し絞って頂くこともお願いしなければなりません。

幸い、つくば市には更に2件の小児科医が開業します。1つは今年3月に開院した「なないろキッズクリニック」。土浦協同病院で新生児科をされていた東先生が院長で、非常に穏やかな方です。更に吉岡先生と言うアレルギー専門医が非常勤として勤務されています。なんちゃってアレルギー専門医の私よりきちんとした診療をしてくれるでしょう。もう1つは夏に開院予定の「流星台こどもクリニック」。院長の工藤先生は筑波大学小児科で消化器を専門にされていた先生です。やはり穏やかな優しい先生です。

あれ、?昨年も同じこと書いてたな。何歳になっても迷ってばかりです。どの企業もそうですが、院長は圧倒的に孤独です。診療にのみ専念出来て同僚に愚痴も言える勤務医に戻りたいと思うことも少なくありません。ただ、そんな自分を励ましてくれるのは子どもたちの「ありがとう」と親御さんの「ブログ見てますよ~」の優しい言葉です。中待合室の壁に貼らせて頂いている子どもたちから貰った絵やお手紙も天井まで届いてきました。写真右側にある紙飛行機の翼にこう書かれています。「あのさ~、つぶれないようにしてよね」。勿論、これは紙飛行機をつぶさないようにとの言葉ですが、これを見る度に思います。「うん、何とかつぶれないように頑張るね」。少なくともスタッフにお給料を払う分は頑張らねば。相変わらずの頼りない院長ですが、これからもよろしくお願いしますね。

 

記事検索

カテゴリー一覧

年別一覧

ご予約方法はこちら

クリニック通信

リンク

診療日カレンダー