クリニック通信

2015年1月21日ウサ、月に帰る

こんにちは。今日は朝から曇りです。

今、このブログを書いている私の横には箱の中でウサが眠っています。二度と覚めることのない深い深い眠りです。

旅立ちは昨日の午前です。大事な家族の旅立ちに、私は今回も診療の為に立ち会うことが出来ませんでした。休みを取って自宅にいたおかみさんが見送ってくれました。午前診療が終わって昼休み中に自宅に戻ると、ウサは籠の中で花と好物のおやつ、そして元気な頃の写真に囲まれて眠っていました。まだ僅かにぬくもりが残っていました。午後診療が終わり、夜に体を洗ってきれいにして一晩を一緒に過ごし、少し泣いて、今日の午後に月に帰るウサを見送ります。今日が休診日であったことは幸いでした。

7歳半、人間ではおばあちゃんです。平均余命に達したウサは急に老け込んで食欲が落ちました。毎日食事の介助をしても痩せ衰えて足腰も弱り、重心が偏ったためにじっとして座っていることが難しくなったウサは、それでも前日まではひょこひょこ歩いていました。「いつかは、、」と言う思いはあったものの、その日の朝の出勤前に「行ってくるよ」と頭を撫でた時には「まさか今日」と言う気はしませんでした。

かけがえのない家族でした。仕事で辛いことがあった時も、開業の決断をして前職の未練に泣いた時もいつもウサは傍らに居て黙って撫でられていました。お転婆でわがままで、散らかすことは大得意。撫でられるのは大好きなのに抱っこは嫌いで、、でも今、眠りながら抱っこを許してくれています。短い命でも過ごした時間や密度が濃ければ全ての生きものは分け隔てなくその人にとって大事な大事な存在になります。そしてその分だけ別れが辛くなります。それが「生きものを飼うこと」のあり難さであり、難しさでもあります。

ウサにとって私はどんな存在だったのか?それは分かりません。ごはんをくれて時々追い掛け回す変な人間に過ぎなかったかもしれません。ただ、仕事から帰って部屋に戻ると必ず部屋の前まで走ってきて、ちょこんと座ってこちらをじっと見ていたことを思うと、少しは心が通い合っていたのかもしれませんね。

ウサはお月さんに引っ越しました。でも当院のシンボルで広報部長である事はまだ引退しないそうです。デジタルフォトフレームの中でみんなを見守り続けます。

ウサ、行ってらっしゃい。

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