クリニック通信

2016年2月13日食物アレルギーの見分け方(即時型反応編)

こんにちは。2月とは思えない暖かさですね。冬の花なのに寒がってつぼみから覚めたがらないクリスマスローズもそろそろ咲く気になってくれそうです。

この数年、食物アレルギーが注目されてきました。そのことで診断基準や診療体制が整備され、多くの方が救われてきました。一方、情報過多により、何でもアレルギーに思えてしまい、多くの方を不安にさせていることも事実です。アレルギーのタイプは多岐に渡るので、非典型的なものや稀なものまで含めてしまうと、余計に訳が分からなくなってしまいます。そこで典型的なものに限った大雑把な見分け方をお話したいと思います。

食物アレルギーは食べてから症状を起こし始めるまでの時間によって大きく「即時型」、「遅発型」に分かれます。「即時型」は食べてすぐに症状が出るもので、殆どが軽症ですが稀に重い症状を起こす方もいます。「遅発型」は長期間治療しても治りにくい慢性湿疹(アトピー性皮膚炎)のある乳幼児で、食べる度に半日以上経ってから湿疹が悪化する場合に疑います。判断は難しいけれど危険はありません。食物アレルギーとして良く問題になるのが「即時型」ですので、今回は「即時型」のお話です。

私は食物アレルギーを疑う時は「時間的に一致するか」「発疹を伴うか」「再現性があるか」「特定の食材に限ってでるのか」を基準に考えます。

「時間的に一致するか」:即時型では殆どが食べた直後から30分以内、遅くても2時間以内に症状が現れます。5-6時間経って現れる場合もありますが、ちょっと怪しくなって来ます。

「発疹を伴うか」:症状の90%はやや盛り上がった赤い痒みのある発疹で、多くは口の周りから顔~全身に広がって行きます。瞼や唇が腫れることもあります。発疹は見た目こそ派手ですが危険はありません。早くて数十分、遅くても翌日には自然に退いていきます。1日以上経って症状が再燃することは殆どありません。注意する症状は咳や嘔吐など発疹以外の症状ですが、特殊なタイプを除いて殆どが発疹を伴っています。

時間的にはややタイムラグが大きい場合や、症状が嘔吐だけで発疹がないなど非典型的な場合は「再現性があるか」が判断基準になります。

「再現性があるか」:食べるたびに症状を繰り返す場合は、アレルギーの疑いが強くなります。一方、同じ食材で、同じ量を、同じ調理方法で食べても出たり出なかったりする場合はちょっと怪しくなって来ます。(加熱などの調理方法が違う場合や量が違う場合は再現性がないこともあります)

「特定の食材に限ってでるのか」:食事には複数の食材が含まれていますが、複数の食材にまたがってアレルギーを持っている方は多くありません。症状が出た時の食事内容に、毎回共通する食材が入っている場合は疑いが出てきます。一方、食材に関係なくあれを食べてもこれを食べても出る場合は別の原因なのかもしれません。

【食物アレルギーに似ているようで違うもの】:蕁麻疹は蚊に刺されたようなぼこぼこした痒い発疹が特徴です。体調不良などをきっかけに誰にでも出ることがあります。食物アレルギーでは翌日に再燃することは滅多にありませんが、普通の蕁麻疹は数日間は出たり引っ込んだりします。また、口の周りの皮膚は弱いので、香辛料などによって赤くなることもあります。食事前にワセリンを口の周囲に塗って、食材が直接皮膚に触れないようして食べさせてみることで見分けられるかもしれません。

【血液検査の問題】:検査結果が陽性でも症状がでるとは限りません。その逆の場合もあります。食物アレルギーは詳細な病歴聴取による症状経過から診断するものであって、検査はその参考に過ぎません。しかし、時に検査結果だけが独り歩きしてしまい、今まで普通に食べられていたものまで止めてししまう方がいます。むやみに検査対象を広げたり、症状もないのに検査をすると逆に混乱や不安を招くこともあります。

「気になるから」と自己判断で止めることはお子さんの食べる楽しみを減らし、お母さんが食事を作る時の負担を増やしてしまいます。食物アレルギーは軽症な方が大半です。食材の調理方法を工夫し、量を調節すれば食べられることもあり、症状が出ないレベルを少しづつ食べ続けていくと軽くなる可能性があることも分かってきました(調節の仕方は必ず医療機関の指示内に従いましょう)。また、離乳食を遅くしたり、症状もないのに除去し過ぎると逆に食物アレルギーの発症率を増やしてしまうと言う報告も増えてきました。、離乳食は出来るだけ多くの種類を食べることが勧められています。初めてのものは少量から少しづつ増やすことがコツです。今回の目安はかなり大雑把で例外もありますが、上記の症状に一致する場合は医療機関を一度受診することをお勧めしますね。

 

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